あたしは本を読むのが好き
でもだからって昔から好きだったわけじゃない

いまでもはっきり覚えてる

あの本に出会って、あの人に出会って

あたしは本が好きになったんだよ

本を読むのが好きになったのは、読むことには
価値があると気づいたからだと思う

じゃあ、価値のために本を読んでいるのかというと
そうじゃない

ヒマつぶしに読んだり、面白そうな本があると読んでみたり
好きなジャンルや好きな作家のものだから読んだりする

それに、あたしは本を好んで読む人が好き
いろんな本を読んでいるひとは
どこかしら視野が広く、教養がある
ように(あたしには)見える

また、小さいことで喜んだり悲しんだりできる
感受性豊かな人が多いように感じる

それに、本をたくさん読んでいる人の言葉は
すごく興味深い

いい言葉や、おもしろい考えを
たくさん持っている

本人はきっと気づいていないと思うケド

あたしが読書を好むのは、ただおもしろいから
文を読んで、作者や登場人物の心情を読みとるのが
おもしろいのだ
読み返すたびに新しい発見があり
たくさんのことを学ぶことができる
知識を増やし、深めることもできる

あたしが本を好きになったきっかけとなったその人が
「本をあまり読まない人は、人生の半分を損して生きているって誰かがいっていたけど、自分もそう思う」
と言ったことがあった

あたしもそう思う

別に、読書をしていない人を悪いとは思わないし、
読書をしろ、なんて言うつもりもないけども、

成長することをやめちゃいけないとは思う

なんでもいいのだ
なにか1つでも熱心に取り組んでいれば
その人は成長している人だと思う

人生を楽しんでいる人だとも思う

うまくいかなくても、逃げないこと

その人はいつもさりげなくそんなことを言っていた
その人との出会いについて

*

はじめてその人と話をしたとき
あたしはその人から次々と飛び出す
おもしろい言葉にものすごく惹かれた

その人はいろんな話をしてくれた
すこし変わった人だと思ったケド
頭のいい人だとも思った

興味深い内容と独特の方言まじりの言葉が
とても自然に心に響いて心地よかった

読書好きな人は、暗いとか真面目とかいう
勝手な思いこみを話したあたしに
「じゃぁ、この本貸してあげる」といって
その時たまたま持っていた本を貸してくれた

あたしはその本をアッという間に読んでしまった

すごくおもしろかったから
本当におもしろかった

そのことをその人に伝えると

その人は笑って
「じゃぁ、あげる」と言った

あたし「え?でもコレ…」
その人「その代わり、大事にしてね」

といってその本をくれた
けっこう古びた本で、挿絵がないのと
文庫本みたいな紙が使われているところが
いっそうその本を魅力的に見せている

あたしはその本を、いつも手元に置いておきたくなって
本屋で同じ物を探そうと思っていたので、
もらうことにした

その人はすごくキレイな顔立ちで色が白く
物語にでてくるような女の人で
愛用のイスに腰掛けていつも本を読んでいた

あたしはその人のところへ行っては
いろんな話をした
同時にそこにあったたくさんの本も読んだ
なぜだかどの本もものすごくおもしろかった

気がついたら、あたしは本が好きになってた
その人のことを好きなのと同じくらい好きになってた

物語みたいな本当の話♪

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