毎日学校へ行くとき通る道
朝いろんな人と会うのがなんとなく嫌

それだけの理由で
ある日見つけた

静かな裏道

その道にある
古くて2階建ての1軒や
あたしはその家がなんだかとても好きだった

暗くなりはじめると点くオレンジの電球

その色は、もう何十年も
あの家と一緒にそこにあるみたい

いつも2階の窓が半分開いている
木で造られた机に小さな電気スタンド
本がたくさん並ぶ本棚
それが収まっている小さな部屋

そこで暮らすのは老夫婦でした

あたしはこの家を見る度
なぜかあったかい気持ちになる

いつかあんな風になっていたいな

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じつはこの家の老夫婦とは顔見知り

あたしがいつも眺めながら帰るもんだから
ある日部屋の中のおばあちゃんと
目があってしまった

そしたらにっこりわらって
手をふってくれた

あたしは思わずふりかえしてた
にっこり笑って

数日後
朝いつもより早く通ると
おばあちゃんとおじいちゃんが
家のまわりの掃除をしていた

その日から
いつもより少し早く
学校へ行くようになった

あたしはあの家と
あの家に住む老夫婦が
なんだか大好き

来年あたしは県外の大学へ行く
そしたらもう
会えなくなちゃうのかな

ううん。きっと来年も、会いに行くからね

やばい、泣きそうだ

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