どうしても実家に帰ろうと
土曜日の夕方、まだ日が暮れる前、
実家に向かった。
ワックスをかけたばかりの車は
ピカピカというよりつやつやという言葉が似合っていた。
高速道路を走る途中
この道はこの風景は何度も見てきただろうに
通る度にまるで初めてのような気がする。
頭の中でぼんやり考えていた。
家まであと10歩ってくらいのところで、
向こうから歩いてくる人影を見つけたあたしは
はっとして手を振って走り寄った。
あんな暗闇でも、どうしてだか家族だとわかるんだから、ねぇ。
笑顔のかわいいその人は
贈り物をとても喜んでくれて
可笑しくてかわいいそれに
思わず笑いが止まらない。
ホールのケーキは時間がなくて無理だったけど
小さなケーキをみんなで食べて
おいしいワイン(だとその人は言ってた)を飲んで
たくさんおしゃべりをして遊んで。。
そして疲れてぐっすり眠りについた。
次の日、目を覚ますと
枕元にその人はいて、あたしを起こそうとしたけど
あんまりにも気持ちよさそうに眠ってたから
悩んでいたら自分も眠ったそうだ。
カーテンの隙間から差し込む眩しい光に
朝だと気づいて、せかせか帰る準備をして
朝ごはん、と白いお皿いっぱいに真っ赤な苺。
あの人らしいとケタケタ笑って
ニュースもまだ放送されていたなかったから
しぶしぶテレビショッピングを見ながら食べた。
そろそろバスの時間、もう行かなくちゃ。
玄関で見送りのバイバイ、またね。
バスをまつ間、車が1台も通らないことに
気づいてちょっぴり驚いた。
それから、冷たく澄んだ空気の中にいると
朝、ラジオ体操に向かう時のことを思い出し
あの頃の感じととても似ていると思った。
もう夏が近いのかな。
朝いちばんのノンストップ、高速バス。
いろんな人が乗っていたけど、
とっても静か。
あたしはバスの中で本でも読もうと思っていたのに
うとうと眠ってしまい、気がつけばにぎやかなまちの中を走っていた。
降りて、電車に乗りかえ、ひとりの家にただいま、した。
その人からもらった薬を1粒飲んで
すぐにアルバイトへ。
実家に居られたのは、12時間
だけど、とっても意味のあるじゅうにじかん。
きょうお願いしたからね
きっと次帰るときには、ゆっくり温泉にも行けるようになるよ。
いまはなんとか頑張っていくしかないね。
元気をたくさんもらった。
知らない道を歩いた。
大切なものを感じ取れた。
それで十分。
土曜日の夕方、まだ日が暮れる前、
実家に向かった。
ワックスをかけたばかりの車は
ピカピカというよりつやつやという言葉が似合っていた。
高速道路を走る途中
この道はこの風景は何度も見てきただろうに
通る度にまるで初めてのような気がする。
頭の中でぼんやり考えていた。
家まであと10歩ってくらいのところで、
向こうから歩いてくる人影を見つけたあたしは
はっとして手を振って走り寄った。
あんな暗闇でも、どうしてだか家族だとわかるんだから、ねぇ。
笑顔のかわいいその人は
贈り物をとても喜んでくれて
可笑しくてかわいいそれに
思わず笑いが止まらない。
ホールのケーキは時間がなくて無理だったけど
小さなケーキをみんなで食べて
おいしいワイン(だとその人は言ってた)を飲んで
たくさんおしゃべりをして遊んで。。
そして疲れてぐっすり眠りについた。
次の日、目を覚ますと
枕元にその人はいて、あたしを起こそうとしたけど
あんまりにも気持ちよさそうに眠ってたから
悩んでいたら自分も眠ったそうだ。
カーテンの隙間から差し込む眩しい光に
朝だと気づいて、せかせか帰る準備をして
朝ごはん、と白いお皿いっぱいに真っ赤な苺。
あの人らしいとケタケタ笑って
ニュースもまだ放送されていたなかったから
しぶしぶテレビショッピングを見ながら食べた。
そろそろバスの時間、もう行かなくちゃ。
玄関で見送りのバイバイ、またね。
バスをまつ間、車が1台も通らないことに
気づいてちょっぴり驚いた。
それから、冷たく澄んだ空気の中にいると
朝、ラジオ体操に向かう時のことを思い出し
あの頃の感じととても似ていると思った。
もう夏が近いのかな。
朝いちばんのノンストップ、高速バス。
いろんな人が乗っていたけど、
とっても静か。
あたしはバスの中で本でも読もうと思っていたのに
うとうと眠ってしまい、気がつけばにぎやかなまちの中を走っていた。
降りて、電車に乗りかえ、ひとりの家にただいま、した。
その人からもらった薬を1粒飲んで
すぐにアルバイトへ。
実家に居られたのは、12時間
だけど、とっても意味のあるじゅうにじかん。
きょうお願いしたからね
きっと次帰るときには、ゆっくり温泉にも行けるようになるよ。
いまはなんとか頑張っていくしかないね。
元気をたくさんもらった。
知らない道を歩いた。
大切なものを感じ取れた。
それで十分。
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